北へ

仕事の都合で茨城へ。
早朝と言うか深夜、普段なら眠ろうかと言う時間にX3を駆り出す。
深夜の都内はタクシーとトラックの天下だ。たらたらと走る客を乗せないタクシーと飛ばしまくる乗車中のタクシーとでかい壁のようなトラックの間を縫うようにエンジン全開で山手通りを走る。
四時近い時間に見かける女性一人のセダンや、ミニバンってどんな理由があってこんな早朝に車を走らせているのだろう?不思議だ。
高松から首都高に入り、6号から常磐道へ。
初の常磐道だ。素敵な高速だ。少なくとも夜の常磐道は美しい。
地名を忘れたが、三郷に至る手前大きな川の左岸を併走して走るマンション群の灯り。三郷のJCを超え合流してすぐの右手にデンと登場するライトアップされたコンビナート。
左右が樹木に囲まれた片道三車線計六車線の長い北へ向かう道路の空が東から青く染まっていく様子。
都内を抜けるあたりから茨城に入るあたりまでの様子は一瞬一瞬が美しかった。
香港のアイランドサイド、東橋からワンチャイへ湾岸を走る高速の夜景が、俺は世界で一番美しい高速の夜景だと思っていたが、この常磐の早朝の様子も同じ程美しいと感じた。
二時間と読んでいた目的地まで、結局一時間で到着してしまった。代え難い贅沢な時間だった。次には目的も無く走ってしまいそうだ。
コンビナートの写真は、運転中にもかかわらず記録として撮影したいと思った。あまりにも人工的な造形に人工的なライトアップが、偽物臭くセットのような非日常感があってたまらない。