西へ

遅めの夏休みを一日取って日曜・月曜と東北道を使った目的地無しの気の向くままのドライブの予定だったが、結局実家のある愛知県へと目的地変更。
往復約500キロのロングドライブ。初のクルマでの帰省でもある。
熱帯魚達の世話もそこそこに、昼過ぎに出発した。
環八もそれほど混んでおらず、天気も良い。道中の飲み物も準備した。余裕の心境で軽く流す。
X3の調子も絶好調。エンジンも快適に回っている。
世田谷あたりで、若い男二人が運転する黒いトゥアレグの後ろに付く。ドライバーがこちらに興味を持っているのに気づいた。おっと言う顔。こちらも黒いトゥアレグにおっと言う顔をする。
後ろに並ぶと良く分かるが、あちらはかなり横幅がある。後輪のカバーなんてデンと張り出していてヤンキー娘のセクシーなお尻のようだ。X3はつくづくスリムなスポーティ体型なのだなと思いながら、抜きつ抜かれつのクルージング。渋滞もなく東名東京ICへ。
1500キロも超えているので、慣らしの最終段階4,000回転までは気にする事無くエンジンを回す事ができる。アプローチからグーつと加速してあっと言う間に100キロ程度のスピードに。色々な感想はあるだろうけど、この車重でもたつきを感じさせない加速は気持ち良い。2トン弱で2.5literでも充分だ。
後はたんたんと流して走る。日曜昼下がりの東名は余分なクルマも走っておらず、法定速度を守ろうとはするが、気が付いたら笑ってしまうほどのスピードになっている。ここだけの話160近くまで踏み込んでしまった瞬間もあった。
さすがにそこまでのスピードだと、風切り音が耳につき始めるが、不快なほどの大きさではなく逆にあー風を斬って走っているんだなと感じるから不思議だ。追い越し車線でグンとアクセルを踏み込んだ時5,000近くまで跳ね上がるエンジンの音は、官能的だ。これが5シリーズや7シリーズだったらどんな感じだろうと想像も膨らむ。
松田、川崎と過ぎ、御殿場が近づくと目の前に少し曇った富士山のシルエットが目の前に飛び込んできた。そうか東名走っていると、正面近くに富士山を見る事ができるのか。
神奈川・静岡県境近辺のR500くらいのキツメのカーブに140くらいでつっこんでいくと、微かに恐怖を感じる。俺の運転の未熟さのせいだろうが、そのまま横に流れていってしまうのではとやっぱり怖い。実際には後輪ががっしりと路面をつかんで押し上げてくれ、変なロールを感じる事無く余裕でカーブを抜ける事ができるのだけれど、慣れていない分だけかない緊張したが、それも快感だ。ドライブって五感で楽しむもんなんだな。さらに運転が好きになった。
何の問題もなく、静岡を過ぎ牧の原SAで最初で最後の休憩。腰への負担もなく、休み無く運転続けたかったけれど、自然に呼ばれWC休憩。間違って大型側の駐車場へ入ってしまう。
大型のトレーラーがポツポツと並ぶ中に黒い愛車が存在している姿が可愛らしい。つくづくデジカメを持ってこなかった事が悔やまれる。毎回そうだけれど、デジカメ持参の習慣を身につけなければ只の文章だけのブログになってしまう。次回から気をつけます。
SAと言えば、ジャガ丸か、串かつと俺の中では決まっていて今回は串かつと中華マンで一服した。それにしてもまずい、と言うかチープだ。そこがまた堪らないのだけれど。
一服もそこそこに、東名にビューんと戻り浜松西で下へ下りた。浜名湖ビューラインを走り愛知県へ入る。
この浜松ビューラインは凄い。入り口すぎて浜名湖を横断すると、しばらく太平洋と並走するのだけれどその景観が壮大で美しい。地元にいる時には知らなかったけれど、目の前に続く太平洋の姿は言葉で説明するのが難しい。キラキラと太陽の光を反射しながら大きな波が次々と寄せてくる。やっぱり海は太平洋だ!
と一人で興奮しながら愛知県の東端豊橋に到着。事故も無く無事に往路は終了。
250キロ程度のドライブで東名に乗ってから約2時間半。飛ばしすぎだけれど、ドアトゥドアで考えれば、新幹線を使って帰省するよりも早かった。何よりも体が痺れっぱなしの心地よいドライブは、ビール片手の電車の旅とはまた違った歓びだ。
この気分なら大阪までノンストップで行けそうだ。

復路はまあ同じような路を、夜トラックに囲まれながら帰ったって事で簡単に書いておく。
19時に家を出て、22時ちょいすぎには帰宅。この時間からどれくらいのスピードだったかは想像がつくと言うものでしょう。すみません。次からはもっと法定スピードを意識します。
途中325に煽れて、かなり不快な気分になった。流れに乗って120くらいで追い越し走っていると、かなり後方からパッシングをかけてくる馬鹿だ。たかがBMWに乗ってくるくらいで何様のつもりだよ。
BMW乗りはマナーが悪い、運転が下手と言われる事が多く正直ブルーな気分になる時もあったけれど、こういう運転する奴を見ると頷けるのが哀しい。まあそんなに飛ばしたいならどうぞと路を譲るが、どうにも性根が卑しい奴と同じように見られるかと思うとちょっとBMWのロゴが寂しかった。

と言うような事があり、2日間往復500キロのドライブは、快適なものだった。ガソリンと高速代を考えるとちょっと凹むが、なんだか実家に帰る機会が増えそうだ。3〜4年に一度くらいしか帰る事がなかったのに。